まったりのんびりマイペース駄目人間の黒猫のなんだか良くわからないブログです
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
最近狂犬が可愛くて仕方がない(ヤバい

今日は狂犬SSを。
お相手はsabakuさんに虹子さんを貸していただきました!!
ありがとうございますー!!



ほぼ会話しかないヘボいSSですが良ければどうぞー。



「犬はね、元々狂ってたぁんだよ」
ふと、月夜の下を走る車の中で一人の女――ブラッディが呟いた。
誰に聞かせるのでもない、単なる呟き。
その視線は窓から見える月へと注がれていた。
「へぇ、何で姐さんはそう思うんですかい?」
突然の呟きに驚くことなく、車を運転する赤毛の女――虹子が問いかけた。
その問いかけに、ちらりとブラッディは虹子へと目を向ける。
角度によって色が変わる銀の瞳が、気弱げな淡い青に染まった。
「犬ぅは弱いから、狂わなきゃ生きていられない」
ぼそりと呟いた言葉。
自嘲するように口を歪ませ、ギャハっと軽く笑った。
「そんなもんかね」
「そぉんなもんだよ」
窓に頭をもたれさせ、何処かつまらなさそうな目で月を眺めた。
何時ものニヤけた笑みではない、何処か虚ろな表情で。
「それじゃ、犬と狂犬の違いは?」
「……弱い事を受け入れるか、受け入れられないか、だぁね」
虹子の言葉に、再びブラッディは口を歪めた。
「弱い事を受け入れて狂う先に待つのぉは服従と死。受け入れられずに狂う先に待つのぉは力と血、そして壮絶な死」
「どっちもどっちって感じだな」
ブラッディの答えに軽く肩をすくめ、虹子は器用に片手で煙草に火をつけた。
バックミラー越しに見えるブラッディは何時ものような狂気に走った威圧感が無く、人形のような印象を受けた。
喋っていなければ本物の人形に見えただろう。
「…姐さん、もしかして生き飽きてる?」
「そぉかもねぇ」
裏では『狂犬』と呼ばれ幾多の血を浴びてきた女は、あっさりと虹子の問いに肯定を示した。
「そりゃまたなんで?」
「なぁんとなく」
ニヤリとブラッディは笑った。
全てを壊されて絶望した者のみが浮かべる、虚ろな笑みだった。

「殺しが嫌い?」
「だぁい好きぃ」

「人間が嫌い?」
「愛してぇるよ、殺したいほどにぃ」

「怪物は?」
「俺ぇは博愛主義者なぁんで何でもこいよぉ?」

「…それじゃ、自分自身は?」
「………」

ニヤリと再びブラッディは笑った。

「こんなの、ぶっ壊されたほうが世の為でぇしょ?」

生き飽いて、でも自分自身では死ねなくて。
だから殺して狂う。

殺して殺して狂って狂って――終わりの無い最悪の連鎖。
だからこそ、壊されたいと望む自分がいる。
弱い犬であれば狂っても狂ったことに気づかずそのまま死んでいけたのに。
一度歪んだ道は正せない。
狂った犬は狂犬となり、業の道を進む。

そして、狂犬をやめたいならば…

壮絶な死でこの世から何もかも消え去ってしまえばいい。
跡形も無く、想いも無く、狂いきった末に消え去ってしまえばいい。

だから、だからこそ――。
「それが、姐さんが狂犬でいる理由?」
「……そうかぁもね」

マゾ?と虹子が言うとブラッディは愉快そうに笑った。
そうかもしれないと頷いて、げらげらと笑う。

「そこんとこ、運転手のねぇさんはどぉ思う?」
「…命が惜しいんで、ノーコメントじゃ駄目っすかね」
虹子の答えに、今度こそブラッディは涙を浮かべて笑い転げた。



昔、狂った道へと足を踏み入れた女がいた。
愚かな女は狂った果てに狂犬へと成り果てた。

狂犬は殺し、狂い、そして何時しか生き飽いた。

それでも、狂った道を進むしかない狂犬は何時しか願う。
自らを殺してくれと、壊してくれと。

何時かその願いがかなうことを信じて。
犬は狂い続ける。
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://kokuyou13.blog7.fc2.com/tb.php/109-1e2e3bef
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。

無料カウンター現在の閲覧者数:
無料カウンター