まったりのんびりマイペース駄目人間の黒猫のなんだか良くわからないブログです
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カテゴリーに「SS」を追加してみました黒猫です。
SS関係は全部コッチに移動移動ー。

き、企画SSはもう少しだけおまちを!!
書いてるんです!書いてるんですけど!!こうね…殺伐としたものしか最近書いてないのでほのぼの加減が難しい…書いても自分で気に入らない。リハビリしなくては。

というわけで、自キャラで好き勝手にSS書いてみるテスト。
AFOのケイト・フォーミルとフィラ・ボロゴースで。

見てやるぜンッフッフーという方は続きからドウゾー。




「ケィってさ、馬鹿だよなぁ」
隣で寝転んでいた褐色の女が自分の顔を見て笑う。
失礼なことを言っているはずなのだが、その言葉の裏に悪意はない。
「何であたいなんか拾ったんだ?」
「…さぁな、今でも分からん」
人間の彼女。ハーフエルフの自分。
ずっと迫害を受けていた自分にとって、人間はただの敵だった。
「母性本能ってやつ?」
「まだあのときは17か18かそこらだったはずだがな」
普通の人間なら産んでいてもおかしくはないが。
自分は疎まれていたハーフエルフ…周りに愛してくれる者などいなかった。
それなのに敵であった筈の人間の赤子を拾い育てた自分。
「ま、拾ってくれたお陰であたいは今此処にいることができるんだけどな」
「…そうだな」
起き上がった彼女は笑う。自分とはもう4歳しか離れていない彼女。
「フィー」
「その名で呼ぶなっつってんだろ」
コラ、と頭を小突かれた。
幼い頃から呼び続けた彼女の名、幼い彼女はもういない。

「ずっと守られるだけじゃダメなんだ」
「ずっと守りたい奴がやっと出来たんだ」
「ずっと傍にいたい奴がやっと現れたんだ」

彼女は笑う。
その目は別の誰かを想っていた。別の誰かを見つめ続けていた。
「フィー」
「…ケィ、人の話は聞けっつの」
幼い頃からの呼び方で彼女は自分を呼ぶ。
まだ病弱だった頃、まだ戦う力などなかった頃。
まだ生きる気力などなかった頃と同じ呼び方で彼女は呼んだ。

「大丈夫なのか?」
「あいつの傍にいられるのなら、何があっても大丈夫だ」
力強い言葉で彼女は断言した。
今はもう自分よりも強くなり、守りたい人を見つけた彼女。

「ケィ、だからあたいはアトランティスに行く」
「共に行くのか」
「あぁ、共に行ってくる」
離別の言葉。
もう会えないであろう事は分かった。

「お前は好きな奴の事になると周りが見えなくなるから心配だな…」
「うるせぇよ」
苦笑したところを見ると思い当たることは多々あるらしい。
自分も一回、そのような現場に居合わせたことが在る。

愛しい人を守れずに、目の前で死なれた彼女は崩壊した。
その場にいた自分に自らを殺せと願った彼女。
その彼女にしてやれたことはただひとつ。

「…まぁ、また馬鹿げた事をやろうもんならぶん殴りに行ってやる」
「勘弁してくれ…ケィの拳が精神的に一番効くんだから」

泣き叫び壊れた彼女に自分は容赦なく拳を振り上げた。
殴り飛ばされた彼女はただ呆然としていたけど。

『お前は、己の母に向かって殺せというのか!お前は母に自分の子を殺せというのか!ふざけるな!!』

あの時、初めて自分が「母」だと認めた。
あの時、初めて彼女を「子」だと認めた。

『お前が寿命で死ぬ以外は認めない。お前が死んでいいのは寿命でだけだ。それ以外に死んでいい方法などあるものか!』

例え、寿命でも自分より先に死ぬことになるであろうとも。
最後まで生き抜いて欲しかった。
自ら死を望んでなど欲しくなかった。

『お前は自分の子だ!自分の子を殺してなどやるものか!!』

言い切った自分の前で、彼女はただ泣いていた。

「…とりあえず気をつけて行ってこい」
「とりあえずかよ、冷たいな」
彼女は笑う。陽気に笑う。
もう自分がいなくても大丈夫だといわんばかりに、彼女は明るく振舞った。

「さて、と…そろそろ行くか」
ひょいっと腰を上げた彼女を見上げる。
自分よりは低いが、大きくなった彼女。

「それじゃあな」
「あぁ、それではな」

軽く手を振り歩いていく彼女の背に声をかける。
寂しさは不思議となかった。

「あぁ…そうだ。最後の最後だから特別に言ってやる」

くるりと振り向いた彼女。
その顔は照れているように頬が赤い。

「いってきます、母さん」

息が、詰まった。
顔が熱くなる。きっと自分も頬が赤くなっているだろう。
自分と年がそれほど離れていない奴に母親呼ばわりされるのもどうかと思ったが、何故か嬉しい。
だから――。

「いってらっしゃいだ、フィー」

彼女は笑って、自分も笑った。


それが別れ。
母と子の最後の物語。

だが。
絆はきっと消えることはないだろう。

ずっと。ずっと。


*******
・補足

とりあえず、この2人は義理の親子らしいです。普通にフィラ呼び捨てしてますが。
ケイトが捨て子のフィラを拾った設定…生まれとかは気にしない。
作った当初は何も考えてなかったんですorz

ケイトのことを「ケィ」、フィラのことを「フィー」と呼ぶのは昔の愛称。二人とも他人に愛称で呼ばれるのは嫌がります。恥ずかしいから。

ほのぼのが書きたかったんだけどどうなのやら……うーん。
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コメント
この記事へのコメント
素敵SS拝読させて頂きました!
こんにちは。玖堂です。
ケイト女史のお名前を見たので、拝読させて頂きました(^^)

短い文章の中に、HEと人間の迫害の歴史や種族を血縁を越えた絆や、
母子の互いを思いやる気持ちが凝縮されていて、グッときました……。

私はウカの過去は妄想希望炸裂に作っているので、
AFOの世界設定に外れかけギリギリの状況だと思います…orz

なので今回の黒猫様の世界設定を損なわずにオリジナル要素を加えた
お話を拝見し、凄いと思いました!
良いお話を拝読させて頂き、どうも有難うございました♪

長文、申し訳ありませんでした;
2007/02/07(水) 10:36 | URL | 玖堂 由陀 #BaRRn8ZU[ 編集]
ありがとうございます!
いらっしゃいませー。
読んで頂けて光栄ですー♪

うちのPCは基本ダークな過去持ちなのでPCにとってはただの虐めなんですg(ry
こちらも世界観とかはあまり考えずに妄想爆発で書いているので、褒められると嬉しいやら恥かしいやら。

感想ありがとうございましたー!
2007/02/07(水) 21:31 | URL | 黒猫 #-[ 編集]
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