まったりのんびりマイペース駄目人間の黒猫のなんだか良くわからないブログです
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今日は比較的まったりできた一日でした。
おかげで1日2連続更新な黒猫です。ちょっと嬉しい。

今週はリハビリ週間ということで、自キャラのSSを書いてみることに集中。
まだ感覚取り戻せてません。お、おのれー。

今回は銀雨のブラッディ・ドッグのSSです。
人肌依存症気味とありますが依存症レベル超えてるんじゃないかぐらい依存しきっちゃってる娘。
ずーっと孤独を感じ続けて、既に人の傍にいないと死ぬんじゃないかぐらい人の肌に狂った犬、故に狂犬。
なのでコイツのSS書くと何でか妖しくなります。今回も例に漏れず妖しいです。むしろ犯罪くさい。ワーニングワーニング。

見てやるぜーという方は続きからドウゾ。
感想・ご意見・要望などあればどしどしどうぞー。
でも苦情は凹みます(ぉ



絶えず暖かさに飢えている。

暖かさがないと息をすることさえも苦しい。

人肌に依存している自分は傍目にどう映るのだろうか。

愚か?可哀想?変態?

どうでもいい。どう思われたっていいから。

だから――この寂しさを、その暖かさで満たしてください。


*****


雨が降っていた。
それなのに傘も差さずただ一人で突っ立っている自分がいた。
体が濡れる。体が冷える。
「………」
周りの人間達が不審な目を向けながら避けていく。
当たり前だと思う。こんな変人、自分でも放っておく。
それでも動こうとは思わなかった。
頬を伝う涙が雨と共に流れる。

このまま雨と混じり合ってしまえば、この寂しさは消えてくれるだろうか。
このまま雨と混じり合ってしまえば、この疼きは治まるのだろうか。
このまま雨と混じり合ってしまえば、この息苦しさなど感じなくなるだろうか。

「馬鹿らしぃねぇ…ほぉんと」
ぐらりと体が揺れる。
本格的に体が冷えてきたらしい。凍えてバランスを上手く保つことが出来ない。
「…っ…はぁ…」
よろよろと倒れないように注意しながら屋根がある場所へ避難する。
座った瞬間、ぐしゃりと湿った服が音を立てた。

寒い。凍える。
何故自分は外へと出たのだろう。
この雨の中、傘も差さずに。

「…ただ、欲しかっただけぇなんだけどなぁ…」
部屋で蹲っているだけでは耐えられなかった。
吼えて、壊して、暴れても、息苦しさは治らない。
思い余って飛び出したはいいものの、行くあてもなく雨の中彷徨い続けるだけ。

「はぁ…はぁ…はぁっ…っ…」
ぐらぐらと頭が揺れる。息が出来ない。
思考が鈍る。目が霞んでいく。

苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。

体が冷たい。暖かさが欲しい。
誰か。誰か。誰か、誰か誰か誰か誰か誰か誰か…!!!

「大丈夫?」
「………ぁ?」
目の前に差し出された手。
その手を辿っていくと、心配げな瞳と視線がぶつかった。
30代前半ぐらいだろうか?スーツに身を包んだ女性だった。
化粧は薄いが、その目には色濃く疲労が浮かんでいる。そして左手薬指にはキラリと輝く指輪。
「調子悪いの?救急車呼ぶ?…ね、ねぇ、ちょっと?」
心配そうな声で語りかけてくる声を無視して手を握る。

あぁ、暖かい。息苦しさがなくなる。もっと欲しい。その暖かさが、もっと。

「ねぇ、お姉さぁん…俺、拾ってみなぁい?」
「…え?」
女性の目が驚きに見開かれる。
自分はそのままにやりと笑った。誘うように、握った手を引き寄せる。
「何でぇもしてあげる…お姉さんのしたいこと、やりたぁいこと、全部ぅね」
「な、何言ってるのあなた!正気!?」
握った手を離そうともがく女性。その手をもっと強く握り締める。
「イタッ…!」
「ねぇ、お姉さん…怯えなくても大丈夫だぁよ。今なら人もいない、知り合いなぁんて会うこともない」

びくりと女性の動きが止まった。

「お姉さぁんも寂しいんでしょ?俺も寂しいから…ねぇ、拾ってみなぁい?」
「そんな…でも…」
ギャハっと笑いがこみ上げて来る。
何を迷うのか。その目は色々なモノが溜まっている証拠なのに。
「苦しいことも、辛いことも、悲しいことも…ぜぇんぶ俺が受け止めてあげる」
「でも…」
瞳が揺れる。拒否の色が薄れる。
その手はもう振りほどく動きを見せない。
「ねぇ…俺ぇのこと、拾ってよ」
ぼそりと耳元で囁きかける。
その声に女性の体が再び震える。しかし、その体はもう逃げることはない。
「……どこか雨宿りできる場所に行きましょうか」
ぽつりと呟かれた言葉。
その声を聞いて、自分は満足げに笑みを浮かべた。


*****


「あなた、いくつ?」
「んー…?」
煙草の臭いがする。
吸っているのは女性で、自分は心地よい疲労と暖かさにうとうととまどろんでいた。
「…17」
「17!?ちょっと、思いっきり犯罪じゃないの」
女性が苦笑する。その言葉とは裏腹に困ったような声音ではなかった。
「別に…お金ぇ貰うわけでもなぁいし」
ごろりと寝返りを打つ。そのまま女性の腰に抱きつくと人肌特有の暖かさを感じた。
「それで?何であなたは拾ってもらいたかったわけ?」
「…言ったはずだぁよ。寂しかったからぁって」
頭を撫でてくる手に甘える。犬みたいねと女性は笑った。

寂しかったから拾わないかと誘いかける、これはずっとやってきたこと。
だからもう何も思わない。罪悪感も、背徳感も、全て。
暖かさが感じられればいい。肌を合わせあう快楽を得られればいい。
「とんだ雌犬ね、あなた」
「否定ぇはしないよ。…ただ、個人的ぃには雄犬っていわれたぁいけどね」
「何よそれ」
くすくすと女性は笑う。その笑い声は何故だか此処良い。
この暖かさに包まれていたい。この心地よさに眠ってしまいたい。

でも、そんな事は無理に決まっている。
時間は止まってくれない残酷なものなのだ。

「あら、もうこんな時間なのね。そろそろいかなくちゃ…」
「…ん…行っちゃぁうの?」
暖かさが離れてしまう。十分暖まったはずなのに、まだ物足りなさを感じた。
この体は暖かさに飢え続けている。息苦しくなるくらいに、ずっと、ずっと。
「貴女のおかげで溜まってたものはスッキリしたけど…私は私の都合があるもの」
「捨てぇるんだ?」
ギャハっと笑いが出てきた。空虚な笑いが。
「人聞き悪いこといわないで。誘ったのはあなたのほうじゃない」
「たぁしかにね。…んじゃあさ、メアド教えてぇよ」
自分の荷物の中から携帯電話を取り出すと、女性は首を横に振った。
もう関わりあうつもりがないという意思表示だろう。
「ダメよ」
「んじゃぁ、名前はぁ?」
「ダメ」
「ざんねぇん」
肩をすくめて服を探す。
相手がいなければこんなところに長居するものでもない。
「それじゃ、ここの支払いはしておくわ」
「…それはどぉも」
「じゃ、中々楽しかったわ」
その言葉と共にぱたりと閉じられた扉。

暖かさはもうなくなってしまった。在るのは虚しさと孤独だけ。
その感覚に再び息が詰まってくる。
「……苦し…」
息を吐き、深く息を吸う。
ズキリと胸が痛んだ。
「…また探さなきゃ…」
息苦しさに耐えながら服を着る。
携帯電話を見ると着信が1件。送り主は自分を拾ったことのある女性。
「…ふぅん」
丁度いい。この身はひと時だって暖かさが欠けるのに耐えられない。
例え空しい営みだったとしても、この息苦しさから逃れられるなら構わない。

「…狂犬みたぁいに噛み付いて殺して奪えればいいんだぁけどね」
出来るはずがない。否、本当は望んでいる。
だがそれでも――出来るわけがない。
自分で暖かさを奪うことなど出来るはずがない。
人は死ねば冷たくなる。暖かさなど…無くなってしまう。

「…この戯れ自体…無茶ぁなことなんだよねぇ…」
求めて求めて求めて求めて求めて、求め続けても満たされることなんてないのに。
何時までも求め続ける。求め続けなきゃいられない。
まるで何かの中毒のように止められない。
「ずっと傍ぁにいてくれる人なんていなぁいのにねぇ…」
捨てて、捨てられて、寂しいときに呼んで、寂しいときに呼ばれて、本当の暖かさなどなくて。
「無茶ぁなんだよ…無理なんだよ…無謀ぉなんだよ…」
馬鹿らしい。愚かなことだ。無意味なことだ。
でも、そうだとしても―――!!!

人の暖かさを求め続けてしまう。

「…馬鹿らしい…」
笑いはもう出ない。空しい笑みも浮かばない。
ただ涙が出た。寂しい。冷たい。息が出来ない。

「……苦しい」
けほっと一度咳き込んだ。息が詰まる。
早く行かなければ。自分が冷たくなってしまう前に。
目の前がゆれる。ぐらぐらと。ゆらゆらと。
「……誰か……」
建物の中から出ると外は既に暗くなっていた。
その暗さが冷たくて、更に息が詰まる。
「……誰か……」
あてもなく歩いていく。
メールがあった女性の場所など苦しさのせいで頭の中から消えていた。
「……誰か……」
苦しい。体が冷える。目の前が真っ暗になる。
誰でもいい。どうか。どうか。


どうか、この体に温もりを―――。
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