まったりのんびりマイペース駄目人間の黒猫のなんだか良くわからないブログです
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ひっさびさにSS企画更新。遅れてごめんなさい、ほんとすいません。黒猫です。

今回は田吾作さんからAFOPCのニーシュ・ド・アポリネールさんを貸して頂きました!
参加して頂き、ありがとうございます!!
キエフで卓に寄って頂いたり、依頼でご一緒したりと色々ケイトがお世話になってます。
良ければこれからも仲良くしてもらえると嬉しいですー(礼)

SSを読んでやるぜ!という心優しい方は続きからどうぞ!!

SS確定メモ
葎さん=幸・慎さん(銀雨)
優さん=ブラッディ・優さん(銀雨)
Deltaさん=ケイト・リディアさん(AFO)
玖堂さん=ケイト・マティアさんorウカさん(ネタ次第)

今夜は満月。

美しい筈の月は自分にとっては醜いもので。

その身に流れる呪われた血が騒ぎ出す。



ダレモ ジブンニ サワルナ 。




「おや、ケイトさんではありませんか?」
「…あ、あぁ、ニーシュか」
夜になってもガヤガヤと何時までも騒がしい酒場。
その中で頼んだ赤ワインを呑んでいると顔見知りの男が話しかけてきた。
金髪の髪に柔和な笑顔の男――ニーシュ・ド・アポリネール。
すぐ女を口説くのが玉に瑕だが、気の良い奴である。
「偶然ですね、お一人ですか?」
「あぁ…た、たまには一人で呑んでみるのも悪くないと思ってな」
「それは勿体無い!こんなに麗しい女性を放っておくなど紳士として見逃せません」
そういって当然のように自分のいる卓の椅子に腰掛けるニーシュを見て微かに笑みを溢した。
調子の良い台詞とは裏腹にどうやら気を使ってくれているらしい。
「そ、そういう台詞は自分より背が高くなってから言って欲しいな」
「う…ケイトさんが高すぎるんですよ」
笑みを浮かべたまま冗談めかして言うとニーシュは困った様に笑った。
実際、190cmという身長は男でも中々見当たらない。
「冗談だ。そ、そろそろ暇になってきた所だったから丁度良い。良ければ呑むのに付き合ってくれ」
「はい、是非に♪」
二人でワインを呑みあいながら他愛ない話をした。

キエフのこと。少年冒険隊のこと。依頼の事。仲間達の事。酒場のメニューについて。お互いの戦い方。

ただ酒を飲んでだらだらと喋った。
ニーシュは何時もと同じ様にその笑顔を浮かべていたし、自分もただのんびりと過ごしていた。
何時か会話も途絶えてただ呑み合う。

「――狂化する時ってどうな感じなんでしょうね」
そんな時、ポツリとニーシュが呟いた。
突然の言葉に自分は一瞬動きを止めてしまった。
「…そ、そんなの自分が一番よく分かっているだろうに」
自分もニーシュもハーフエルフだ。
その血が忌み嫌われる原因の一つに「狂化」というものがある。
己を忘れるほどの衝動…その時の感じはハーフエルフであるのなら分かっている筈なのに。
「あぁ、いえ…自分の狂化は戦闘時の興奮の延長戦みたいなものですから」
「…?お、お前が何を言いたいのかわからん」
意味を図りかねて首を傾げると、ニーシュはその笑みの中に微かに苦笑を混じらせた。
「私が言いたいのはケイトさんが狂化する時、どんな感じになるのかな…ということです」
「…じ、自分の…か?」
自分の狂化――それはニーシュとは違う。
ニーシュの様に戦闘で狂化する可能性が少ない代わりに自分は月の光を見てしまうと狂化してしまうのだ。

だから自分は夜が嫌いだ。
だから自分は月が嫌いだ。

だから自分は―――。

「――すみません、不躾でしたね」
「…いや、気にするな」
普段のニーシュならこんな事を聞かないだろう。
今は酒が大分入ってしまっているから、つい言ってしまった事かも知れない。
それなら自分もつい言ってしまう事にした。
「じ、自分は狂化する時、吐き気がする」
「吐き気…ですか?」
こくりと頷くと、ニーシュの眉がやや下がった。
聞いてしまった事に関しての罪悪感を感じてしまっているらしい。
「狂化すると自分は潔癖症になるのは知っているな?」
「えぇ、依頼でご一緒したときに聞いていましたから」
「潔癖症になるということは触れてほしくないという事だ…誰であっても」

そう、誰であってもこの身に触られたくない。
人は勿論、同族も、異種族も、風も、草も、水も、空気さえ…この身で感じられる全てが醜く感じてしまう。

「だ、だから吐き気がするのだ…なんであれ、世界というのは何も触れないでいる事も何からも触られないでいる事もできなのだからな」
「確かに…何もないところなど1つもありませんしね」
「そういう事だ」
頷いた後、コクリとグラスの中に残った最後のワインを飲み干す。
ほろ酔い加減だ、そろそろ帰る頃合だろう。
「それでは自分は、こ、この辺で失礼させてもらう」
「あ、送りますよ。夜道は危険ですから」
「…そ、そうだな、それではお願いしようか」
そう笑い合って、自分達は酒場を後にした。

暗い夜道。
瞬く星。輝く月。
月の光に怯えるように帽子を被り、光を見ないようにする自分。
その隣を月の下でも平然と歩くニーシュ。
こうしていると何故だか不思議な感じがした。
自分も帽子など脱ぎ捨てて普通に歩いても何の支障もないような気がする。

だが、それはただの幻想で。
今脱ぎ捨てれば自分は確実に狂化してしまう。
全てを醜く思えてしまう。
でもそれは狂化中に限った事ではなくて――。

「ニーシュ、今から言う言葉は忘れてくれ」
「…はい?」
「自分は――この世界が嫌いだ」
驚いた様に自分の顔を見るニーシュに大丈夫だと笑うと、やはり困ったような笑みを浮かべた。
「こ、この世界は汚い事が多すぎる」
「それは、そうですが…」

自分が過去に受けてきた仕打ち。
今なお続く同族への迫害。
金がない者達を利用する悪しき輩。
幼い子供を売る親達。
腐るほど見てきた世界の現実に吐き気がこみ上げてくる。

「それでも、自分は今もこの世界に在る」

「それでも、自分はこの世界の子等を愛している」

「それでも、自分は――」


「それでも、私はこの世界を愛しています」


言いかけた言葉をニーシュが引き継ぐ様に言ってくれた。
家に向かう足は何時の間にか止まって、ただ先に続く道を見ていた。

「こ、この世界は美しくはない」
「だからこそ、愛しいというものですよ」

汚れた世界の中で精一杯生き抜く人達。
子供達の輝かんばかりの笑顔。
植物も動物の命も、自分達と共に在る。

それはなんて愛しい事か。
それはなんて素晴らしい事か。

「だから自分はこの世界が嫌いだ…だが、愛しいと思う」
「だから――貴女は狂化を恐れるんですね」
「あぁ…愛しいという気持ちをなくしたくはないからな」

例え、人間に迫害されても自分は人間の子を愛した。
例え、汚い現実を見せられてもこの世界を生きてきた。
例え、仲間に裏切られた事はあっても今在る仲間を信じている。

その気持ちを醜いからといってなくしたくはない。

「…行きましょうか、ケイトさん」
「そ、そうだな…」

止めていた足を再び動かし始める。
今思うとかなり恥ずかしい事を言っている気がするが酔っているという事で良しとしよう。
忘れろとも言ってあるし。

「…ですよ、ケイトさん」
「ん?な、何か言ったか?」
ニーシュが何事か呟いた様だが、よく聞き取れなかった。
もう一度聞こうと顔を見ると、ニーシュが輝かんばかりの笑顔で自分の手を握ってきた。
「ケイトさんが狂化しても、大丈夫です。何せ私が愛しt「ケイトキック!!」」
とりあえずふざけた事を言い切るうちに阻止してみた。
全く、油断も隙もないとはこのことだ。
「ケ、ケイトさん…みぞおちは辛いです…」
「自業自得だろう。送るのはもう此処で良い!ひ、一人で帰る!」
これ以上付き合ってられないと先に歩き出すとよろよろとふらつきながらも追ってくるのが見えた。
意地でも家に送るつもりらしい。そういう所だけ無駄に紳士な奴だ。

その根性を特別に評価して。
とりあえず少しだけ追いつくのを待ってやることにした――。



月は醜い。
世界は汚い。
自分は汚れている。

それでも。

自分は全てを愛す。


***********
・補足
ニーシュさんは紳士さん!というイメージがあります。
こう…自然に気が使える人。特に女性に。
ケイトもニーシュさんには一目置いてそうです。ケイトキックするほどに(何)
「世界が嫌いだけど世界を愛している」ってえらい矛盾ですね。
それでもこういう感じでケイトは生きてます。
罪を許せる人ってこんな感じなんじゃないんでしょうか…想像ですが。

それではお付き合いありがとうございました!
少しでも楽しんでもらえたら幸いです。
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コメント
この記事へのコメント
ありがとうございました!
「こ、この世界は美しくはない」
「だからこそ、愛しいというものですよ」


ふふふ。うふふふふ。
二人とも酔っぱらってますねー!!
よくよく覚えておきましょう。

いやはや、紳士に書いてくださってありがとうございます。
ヤツめの事をそう思って頂けたのなら、RP冥利に尽きると言うものです。
田吾作にはとても真似できねーぜ…!!

ではでは、また何かでご一緒しましたら宜しくのほどを!
2007/04/13(金) 12:53 | URL | 田吾作 #wm6RgFN2[ 編集]
超あざーっす!超超あざーっす!
ほろ酔いどころかベロンベロンだったりするかもしれませんね…!!
今見たらかなりこっ恥かしいこと書いてました!マジすいません!(スライディング土下座)

ニーシュさんは良い紳士さんだと思いますよ…!!
田吾作さんも頑張ればきっと格好良い紳士に…!!(ぉ

こちらこそ是非とも宜しくお願いしますー!
2007/04/15(日) 14:45 | URL | 黒猫 #-[ 編集]
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