まったりのんびりマイペース駄目人間の黒猫のなんだか良くわからないブログです
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東京怪談の自PCのSSでもと書きなぐってみたり。
久しぶりに仕事がないのでまったりです。
でも、こうしてると仕事がしたくなる不思議ー・・(何

ちなみに自PCは、黒曜・ブラッグァルドとセバスチャン・マッスラーです。
ブラッグァの方は某茶で某PCさんに苛められてますが(何

SSは追記の方にあります。
【月と女と狼と】

満月の空。
夜という名の檻の中で、女は1人立っていた。
黒い服で身を包み、褐色の肌に漆黒の髪、サングラスで隠れる瞳は獣のような濃い金色。
「…良い月だ…」
女――黒曜・ブラッグァルドは、ぽつりと呟く。
一歩、前へと足を動かすと、腰に差した妙に柄が太長い刀が静かに揺れた。
「お嬢様」
黒曜の背後から、穏やかな男の声が聞こえた。
セバスチャン・マッスラー――ブラッグァルド家に代々仕える執事である。
「マッスラー、今回の仕事は?」
「…はい――園田ビル、というのをご存知で?」
執事の言葉に、こくりと頷く。
最近、エレベーターの事故で子供が亡くなったのをきっかけに倒産となってしまったがそれなりに大きなビルだったはずだ。
「そのビルに、『良くないモノ』が憑いてるようなので、それを祓って欲しいとのご依頼です」
「―――報酬は?」
「400万。調査しましたが、これぐらいが妥当かと思います」
スッと黒曜の目が細められた。
そのまま無言で跳躍し、夜の闇に消える。
「いってらっしゃいませ、お嬢様――」
深々と、ブラッグァルド家の執事は頭を下げた。


トンっと身軽な動きで、大きめのビルの前に降り立つ。
明かりもつかず、月の光で薄暗く照らされた姿は不気味だった。
「なーるほど、確かに気持ち悪い感覚がしやがる」
後で料金割り増しにしてもよさそうだ、と心の中で呟く。
「それじゃ、お邪魔しまーす」
そして、何のためらいもなく中へと侵入した――。

『オォオオ…』
地の底から響くような呻き声が黒曜の耳を打つ。
それも複数、至る所から聞こえてくる。
その声は明らかに殺気立っており、ピリピリとした雰囲気が辺りを包む。
「ふん、雑魚が殺気立ちやがって……いいぜ、ボスと会う前のウォーミングアップ代わりだ」
シュラっと刀を抜き放つ。
刀身は月の光を受けて妖艶に輝き、サングラスの奥にある瞳は獰猛な光を宿した。
「お前等の未練、断ち切ってやらぁ!!」
『オァアアアアア!!!!』
一斉に、おぞましい咆哮を上げた怨念の集合体が黒曜へと襲い掛かった。


シュッ……ズシャアッ!!!
肉を絶つ音が響き、一体の黒き影が消滅した。
「破っ!!」
振り向き様に一閃、背後から襲いかかろうとした影の頭を切り裂く。
血は吹き出ない、こいつらは既に生命活動を止めている。
怨念のみで動く人形、血も涙も汗もでない只のできそこない。
『オオオオオオオオ!!!』
一斉に襲い掛かってきた影を跳躍してやりすごし、着地の際に影の一体に刀を突き刺す。
それでいとも簡単に消滅した影に目を細める。
ギラリ、と刀が光った。
特殊な方法で作られた妖刀【狼牙】――それは人非ざるモノでも斬り刻むことができる。
「とんっだ雑魚だな、お前等。そろそろ飽きてきた」
ふぅっとため息をつき、飛び掛ってきた影を斬り飛ばす。
明らかに面倒くさそうな表情を浮かべ、つかつかと影を斬り伏せながら歩を進める。
「ボスは何処だぁ?こんな雑魚、いつまでも相手してらんねぇぞ」
ブツブツと不機嫌に呟く。
少しは楽しめそうだと思ったのに、とんだ期待はずれだ。
内心で舌打ちしながら、辺りを見回す。
『――お姉ちゃん、だぁれ?』
いきなり、部屋に子供の声が響いた。
「――さぁね」
小馬鹿にするように薄ら笑いを浮かべながらそう答える。
『ねぇ、誰?此処は、僕の遊び場だよ?』
「違うね、此処はお前の物じゃない」
ボゥっと子供の姿をした青白い物体が浮かび上がる。
ビルで死んだ少年の霊――此処のボスだ。
『違うよ、此処は僕のだ。出てってよ!』
子供が怒ったように叫ぶ。
途端、窓がピシピシと音を立てヒビを作る。
黒曜の表情は、依然として薄ら笑いを浮かべていた。
「うるせぇよ。――さっさと消えろ」
『消エルノハ、オ前ノ方ダ!!!』
「――ッ!」
ゴゥッ!!と激しい風に吹き飛ばされ、壁に叩き付けられる。
カチャンっとサングラスが床を打った。
叩きつけられた拍子でサングラスを失い、隠されていた黒曜の金色の瞳が姿を現す。
子供の顔は、般若のような恐ろしい顔に変化しており、周りにドス黒い怨念の塊が漂っている。
「お前、馬鹿だな――」
『何ヲ――!!』
「俺にだけは、月を見せちゃいけねぇのに…」
そう呟く黒曜の瞳には、爛々と輝く月の姿が映っていた。
ザワザワと、怨念で満たされていた空間が震える。
『何ダ、コノ感覚ハ!?』
子供は怯えるように震え、辺りを見回す。
ザワザワ、ザワザワと身の毛のよだつ様な何かに、空間は満たされた。
「教えてやろうか?これはな――恐怖っていうんだ」
にぃっと黒曜――否、黒曜だった者が笑った。
子供の前に悠然と立つのは黒毛に覆われた優美な人狼。
その長き尾は自分の体の2倍はあり、振る事に空間を戦慄かせた。
『オ前ハ―――何ダ!』
「――狩る者だよ、お前達を」
音もなく跳躍した狼は子供の前に降り立つ。
金色の瞳に映った子供は恐怖に震えていた。
初めて出会う、自分よりも圧倒的に強き者の力に、怯えていた。
『ヤメロッ!オ前ハ――オ前ハ!!!」
「じゃーな、つまらない時間をありがとう」
ズシャッ…と鈍い音を立てて、狼の爪が子供を貫いた。
『アァアァアアアアアァ!!!!』
絶叫を上げながら消滅する子供。
それに伴い、周りをうろついていた影達も消えていった。
「ちっ…つまらな過ぎてムカツクからやっぱり値上げしよう」
ブツブツと呟きながら、サングラスを拾い上げる。
朝にならないと自分で変身を解く事ができないのが面倒くさい。
「またマッスラーに怒られるな…」
破いた服代やマッスラーの小言を想像し、深くため息をつく。
心なしか尻尾もしゅんとしたように垂れていた。
「しょうがない、帰ろう――」
割れた大窓から飛び出し、屋根伝いに自分の家へと戻る。
その途中、空を見上げた。
地上を静かに照らす月が、自分を見下ろしていた。
「………やっぱり生で見る方が綺麗だな」
牙がズラリと並んだ口を綻ばせる。
獰猛な瞳は優しげに細められ、尾は穏やかに揺れた。
「今度、月見酒でもしてみるか」
そう呟いて、また移動を開始する。
自分の中で色々と計画を立て、それを実行するのが楽しみというように。


月は見ていた。
1人の女を。
一匹の狼を。
ただただ、見つめていた――。


END
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