まったりのんびりマイペース駄目人間の黒猫のなんだか良くわからないブログです
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色々リプかえってきましたよ。
とりあえず、情報纏めは後回しにして今日はちょこちょこSS書いたので晒してみんとす。
怪談のブラッディ・ドッグで、お知り合いのPC様を貸して頂きました。
ありがとうございます(礼

そこはかとなく百合んな感じですので、嫌いな方はご注意を(一方的な片思いなのでアレな展開ではありませぬ)
見るのは自己責任で宜しくですー。

ではどうぞ。


【 狂い 】

月の下、屋根伝いに飛び回る影があった。

影は愉快そうな笑みを浮かべて。

その足取りはとても軽く、何かを抱えて飛んでいた。

ヒュンッ!ヒュンッ!
トンッ…。
しばらく飛び回っていた影が大きな屋敷の屋根の上で止まった。
それから事も無げに地面へと飛び降り。
そのまま悠々と影は中へと入っていった。



「ん~…よいしょっとぉ!」
どさっと抱えていたものを自分のベッドへと降ろす。
屋敷の中にある4番目の部屋――4号室の主、ブラッディ・ドッグは満足げにベッドに下ろしたものをみた。
ベッドに降ろしたもの――それは1人の女。
ブラッディが唯一人間として愛してやまないその女性。
――火宮・翔子。
「ん、ん、ん~…やっぱ治療しないとだぁめかなぁ~」
自分が負わせた怪我だが、思ったよりも酷い。
できる限り傷が残らないように綺麗に傷つけているつもりだが、一応治療しておいた方がいいだろう。
「…さぁってとぉ」
まずは痛みで飛び起きないように麻痺薬を腕に注射する。職業柄、手術で使うような薬が揃っていたのは助かった。
「つっぎはぁ~」
しゅるりと自らのワイヤーの中で一番細いものを取り出した。
それを特殊な針に通し、徐に自分が深く切りつけた足を縫っていく。
「………」
簡単な応急処置しかしていなかった傷口から再び血が溢れ出してきた。
その赤さに身体が興奮するのが分かる。
その赤を貪り食ってしまい――そんな衝動が身体を駆け抜けた。
「翔子さーん…殺しちゃっていぃ?」
うっとりと夢現の様な口調で。
何かに惹かれるようにその細い首に自らの手を這わせ。
この首を折れば最高に気持ち良いのだろうと悦楽の笑みを浮かべた。
そう、少しの力で良いのだ。
少し力を込めるだけで、この首は折れる。
死ねば後は自由だ…更に殺すのも、バラすのも、犯すのも、閉じ込めるのも。
想像するだけで心臓が高鳴った。
体の奥が熱い…欲情しているとはこの事を言うのだろう。
あぁ、それでも―――。

そっと首から手を離した。
そのまま無言で縫う作業を再開させる。
血の赤に何度も我を忘れそうになるのを押さえつける。
何故こんな我慢をしなければいけないのか、自分でも戸惑っていた。

殺せばいいのに、殺せない。

殺したいのに、殺せない。

まだまだ遊びたいのだろうかと思う。
それもあるだろう。
だけど、きっと…きっと、遊び飽きても殺せないのだろう。
殺してしまうのが途方もなく恐いと思うのは初めてだった。

「ねぇ、翔子さーん…本当に愛してるよぉ?信じてくれないだろうけどさぁ…」
自分が持たないものを持っている彼女。
自分が求めてやまないものを持っている彼女。
人間である彼女。
唯一人間だと思える彼女。
手に入れられれば、自分は変わるのだろうか。
否、変われない。
もうこの狂った頭は治らない…故に狂犬。故に人でなし。
傷口を縫い終わり、改めて眠る彼女の顔を見る。

とても綺麗で、心臓のポンプが酷く高鳴った。

狂犬が恋をした。
人でなしが恋をした。

でも狂犬は殺すことしか知らなくて。
でも人でなしは壊すことしか知らなくて。

だから、自らを殺して欲しいと願った。
だから、自らを壊して欲しいと願った。

「とんだぁ喜劇だよねぇ…翔子さーんもぉそう思わないぃ?」
ぎゃはっと笑いがこみ上げる。
悲しいほどに空しい笑い声が口から零れた。
泣きたいほどに愛しいこの想いを彼女は知っているだろうか。

知らないのならそのままで。
知っているのならそのままで。

そのまま俺を殺して欲しい。
そのまま俺を壊して欲しい。

そっと彼女の顔に自らの顔を近づける。
唇へと口付けしようかとしばし迷い、結局その額へと唇を落とした。
「おやすみぃ、翔子さーん…」
傷つけないように頬を撫で。
そのままベッドの横の床へと身を横たえた。
きっと、目覚めた時に面白い反応を返してくれるだろうと期待して。
眠っている間に壊してくれることをほんの少し期待して。

彼女の寝息を聞きながら自らの目を閉じた。




狂犬が人に恋をした。
人でなしが人に恋をした。

でも狂犬は人を殺すことしか知らなくて。
でも人でなしは人を壊すことしか知らなくて。

故に狂犬。
故に人でなし。

故にこの想いは―――愛という名の狂劇。
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